Anthropic Claude 3がリリースされたので、アップデート内容を調べてみた
生成AIモデルであるClaudeを提供するAnthropicから、最新版のモデルである「Claude 3」がリリースされました。 AWSのBedrock環境からも特定のモデルは利用ができるようなので、概要を早速調べてみました。
Claude 3の概要
今回のアップデート内容を確認すると、かなり大きな進化がありました!過去のモデル(Claude 2, 2.1)と比較してより入出力が早く、高いレベルの知能をもっているようです。 以下に主要な点を記載します。実際の使ってみた感想については別記事にて掲載予定です。
提供されるモデルの種類
Claude 3では、3つのモデルの提供が開始されるようです。
- Claude 3 Opus
- 最上位もモデルになります。最もトークン数が多く性能が良いです。
- 現状、AWS環境では利用ができず、数週間以内に利用ができるとの記載がありました。 *Anthropicが直接提供する環境では既に利用が可能です。
- Claude 3 Sonnet
- Sonnetは中位モデルとなり、既にAWSの米国東部(バージニア北部)および米国西部(オレゴン)で利用が可能です。
- 知能と速度のバランスが最も取れたモデルのようです。
- Claude 3 Haiku
- 知能自体は他のモデルには劣りますが、最も高速に動作するモデルです。
- 速度が求められるタスクの実行に適しています。
Claude 3は画像にも対応!
Claude 3ではVisionの機能が追加されており、様々なフローチャートや写真などの画像を読取ることができるようになりました。
過去のモデルでは画像の利用はできなかったので、かなり活用の幅が広がるワクワクするアップデートですね!
利用できるトークン数とコストは?
Claude 3は全てのモデルで、100万トークン!を利用できるようになりました。GPT-4の最新モデルでは約12万トークンであることから、かなり大量の情報を一度で処理することができるようになりました。
ただ、この上限である100万トークンは限られたユーザーのみの提供となるようで、通常ユーザーに提供されるモデルは20万トークンが上限となるようです。
100万トークンあたりのモデルのコストについては、以下のようになります。
Opus(最上位モデル)
- 入力 $15.00
- 出力 $75.00
Sonnet(中位モデル)
- 入力 $3.00
- 出力 $15.00
Haiku(下位モデル)
- 入力 $0.25
- 出力 $1.25
Claude 2.1(過去モデル)
- 入力 $8.00
- 出力 $24.00
Opusは高額になりますが、Sonnetの金額はClaude2.1から大幅に引き下げられました。かなりコストも安く利用ができそうな印象です。
情報のカットオフはいつまで?
トレーニングに利用されている情報は2023年8月までの情報を利用しているようです。そのため、理論的にはかなり最新の情報にも回答ができるようになったようです。
ベンチマークスコアはGPT-4超え
Anthropicが提供するリリースノートに記載がありますが、ベンチマークスコアでもGPT-4を凌駕するスコアを誇っているようです。中位モデルであるSonnetもいくつかの領域ではGPT-4を超える性能を持っています。
その他のアップデート
上記以外にもいくつかアップデートがあります。リリースノートの中で個人的に気になったアップデートを以下に記載します。
ユーザーの指示に対する拒否の減少
以前のモデルでは、ユーザーの指示に対して不必要な拒否を実施することがありましたが、Claude 3ではそれが減少しているようです。 そのため、システムのガードレール(不適切な出力を出す可能性がある場合にブロックする仕組み)に接しやすい内容の質問でも出力を得られやすくなりました。
複雑なプロンプトにも対応
Claude3は複雑な複数ステップの指示に従うのも得意とのことでした。特に、ブランド応答のガイドライン(トンマナやJSONなどの出力形式)にも一貫した出力が可能とのことでした。
まとめ
Claude 3は以前のモデルと比べてかなりできることが多くなった印象です。画像も使えるポイントは嬉しいですね! 次の記事では実際にAPIを利用して出力を確認してみたいと思います。
参考にした記事
https://www.aboutamazon.com/news/aws/amazon-bedrock-anthropic-ai-claude-3